亡国の民

忘れる前に書き残しておく。

 

なぜか皆その瞬間を眺めていただけの様に見えた。

正常性バイアスだろうか。

次の瞬間本当に爆発が起きた。瞬く間に道路は炎に包まれた。

私もその場に居た。

爆風で建物が崩壊する。

崩れ行く建物に飲み込まれぬよう皆走る。

私も走った。

森か林か、数人を連れて獣道を歩く。

そこでいつもの人に問われた。

「帰る場所(家と言ったのかも知れない)があるのか?」

私は彼の頭を掴み壁に叩き付け叫んだ。

「(我々は)亡国の民だよ!」

 

回想終わり。